反抗期の中学生・高校生への効果的な接し方と7つの対処法|反抗期はいつ終わる?

親と口論している男子中学生
中学生にもなると、子どもには自立心が芽生え、反抗期を迎えます。

親子のコミュニケーションがうまくいかなくなり、我慢できずに声を荒げてしまうケースもあるでしょう。

しかし、親子という近い関係だからこそ、深く傷つけ合う結果になってしまい、親子関係がこじれにこじれてしまうケースもあります。

反抗期は成長に必要な過程であると理解し、子どもの立場に寄り添った対応を心がけましょう。7つの観点から接し方、対処法を紹介します。

また、親子間ですべてを解決しようとせず、頼れるところは外部を頼るのも一つの方法です。

反抗期は人として正常な成長の証。高校生〜大学生ごろに終わるケースが多い

反抗期の全体像

反抗期には、第一反抗期、中間反抗期、第二反抗期の3つがあり、中学生・高校生の反抗期は第二反抗期に該当します。

主な年齢
※個人差あり
詳細
第一反抗期 1~3歳 自我が芽生えて、自己主張をし始める時期(通称、イヤイヤ期)
中間反抗期 5~10歳 親からの干渉を嫌がったり、口答えしたりする時期
第二反抗期 11~17歳 自立心が芽生え、親や教師などの大人を否定して自我を確立する時期

 

身体的、精神的、社会的な要因が複雑に絡み合うことにより、中学生になる前後に反抗期が訪れるケースが多くなります。

例えば、身体的にはホルモンの分泌が活発になり、ホルモンバランスが崩れるため、感情が不安定になりがちです。

精神的には、自我の形成が始まり、独自の価値観やアイデンティティを模索する中で、権威に対する反抗心が生まれます。

社会との接点も増え、人間関係も複雑になることから、常にストレスを抱えながら生活を送るようになります。

大人になる通過儀礼であり、誰しも多かれ少なかれ経験する、正常な発達の段階です。

反抗期の終わりのサイン

個人差が大きく、一概には言えませんが、反抗期が終わるのは、10代半ばを過ぎてから(高校在学中〜大学生ごろ)が多くなっています。

多くは心身の正常な成長の過程ですので、接し方を変えたら反抗期が終わるとか、大きな出来事があって1日でガラッと変わるとかいうわけではなく、気がつけばいつの間にか反抗的な態度がなりをひそめていた、というケースが大半です。

反抗期は、親をはじめ他人がコントロールできることではない、と考えておきましょう。

親子関係は、近すぎるがゆえに、こじれてしまいがちです。親として、年の功を発揮して、上手に付き合っていく方法を考えたいところです。

反抗期の中学生に対する接し方・対処法7選

人差し指を立てている女性
繰り返しますが、反抗期は、人の正常な成長の過程です。

誤った対応をしてしまうと、親子関係がこじれて、学習に集中するどころではなくなってしまったり、大人になって以降もギクシャクとした関係が続いてしまったり、大きな問題へと発展してしまう可能性があります。

発達の段階としてやむを得ないお子さんの状況を理解し、寄り添った対応をする必要があります。

1. 子ども扱いをやめる

もしかしたら、外見や行動は、小学校の頃とあまり変わっていないかもしれません。

しかし、心は急激に成長しています。子ども扱いし、過干渉されることを本能的に嫌がるようになっています。

接し方のポイントは、「我が子であるのと同時に、ひとりの人である」という事実を思い出すことです。

大人として見ると、できないところ、だらしないところが目についてしまうと思います。この子のためだからとつい口出しをしてしまいます。

しかし、最終的には、子ども本人の人生であり、子ども自身が必要性を感じていなければ、解決にはなりません。

「親があれこれ言ってちゃんとやらせる」から、「子ども自身が自分の足で立って歩いていけるようにサポートする」に、親のアプローチを変えていく必要があるわけです。

2. 無視はしない

注意する自分がイライラするからといって、放置してはいけません。

親が子どもを無視してしまうと、子どもは見捨てられたと感じてしまうケースがあります。

心が満たされていない場合、反抗期がひどくなり、非行に走るおそれもあります。

「おはよう」や「お疲れさま」といった挨拶だけでも構わないので、子どもに話しかけましょう。子どもから話しかけられたら、笑顔で応えてあげるのも大事です。

3. 子どもの話を聴いて共感する

反抗期の子どもと接する際は、話を聴いて共感することを意識しましょう。

話を聴いている中で、注意したくなったり、自分の意見を伝えたくなったりするかもしれませんが、10回中9回は我慢しましょう。

例えば子どもが「先生に叱られた」と話してくれた場合、「あなたが叱られるようなことをするからでしょ」という反応はNG。まずは子どもの味方の立場で、「そんな叱り方をしなくてもいいのにね」など、主張の要点を汲んで、共感してあげましょう。

こうしたコミュニケーションができれば、子どもが話しかけてくれる頻度も増えるはずです。

また子どもに「味方になってくれた」という実感があれば、「今度はこうしたら良いかもね」などアドバイスにも聞く耳を持ってくれるかもしれません。

4. 感情的にならない

反抗期の中学生は、口答えしたり、無視したりするため、腹が立つこともあるかもしれません。こんなときは、自分の感情が爆発する前に、土俵から降りてしまいましょう。

腹が立つからと、真っ向からぶつかってしまうと、親子であるがゆえに深く傷つけ合ってしまい、親子関係がこじれ、取り返しがつかなくなってしまうケースがあります。

もちろん、子どもの考えや気持ちを理解しようと務めることは大切です。

しかし、子どもがなぜこんなに反抗するのか、親には理解できないケースも多々あります。子どもも多くを語らないケースが多いでしょう(そもそも、理由を聞かれることすら腹立たしく感じている可能性が高いです)。

子どもが多感な時期であることを理解し、深く考えすぎず、大きなトラブルになる前にサッと身を引くのも、大人の年の功と考えてみましょう。

5. 親子ゲンカを引きずらない

親子は近すぎる関係性であるがゆえに、大きなケンカに発展することもあるでしょう。

また、親も人間ですから、思春期の子どものやることだからと大抵のことは大目に見ることができても、これだけはどうしても納得がいかない、許せない、という逆鱗があって当然です。

10回中9回は許しているなら、怒るべきときにはしっかり怒ってみせるということも大切です。

しかし、考えや意見を伝えることが目的である、という点を忘れてはいけません。

たとえば、腹が立つからしばらく無視してやる、などというのは嫌がらせであり、なにもいいことはありません。

また、母親が子どもとケンカをしてしまったのなら、父親は我関せずの態度を取ってはいけません。逆の場合も同様です。

母親には「思春期だね。あんな反抗的な態度でびっくりしたね」となだめるなど、冷静・客観的になれるようにサポートします。

子どもに対しても、共感してあげたり、その上で母親が怒った理由を「こうじゃないかな」と伝えたり、直接的にケンカをしていない=落ち着いて話せるからこそできることがあるはずです。

6.食事で愛情を伝える

反抗期の子どもとの接し方がわからない場合、食事で愛情を伝えるというのも、一つの手段です。

中高生になってくれば、部活動や塾など用事も増え、食事を一緒にしないケースも出てくるでしょう。

この先、年齢を重ねるほど、機会は減っていきます。

一緒に食事をする機会は、特別な時間だという意識で、いくつかのおかずの中で、一つ二つは子どもの好物を用意してあげ、「今日は◯◯だよ」と一声かけてあげましょう。

少なくとも「自分のことを考えていてくれている」ということは伝わります。

ただし、言うまでもありませんが、子どもがどういう反応を示すかは、親にコントロールできることではありません。

期待どおりの反応をしてくれなかったからと言って、押し付けがましくしてはいけない、ということだけ、心に留めておきましょう。

7. 第三者を頼る

親が良かれと思って口出しをすればするほど、子どもは反発します。

度を越せば、親子関係がこじれ、大人になってからもギクシャクしたままになってしまうかもしれません。

たとえば「勉強をしなさい」と口うるさく言うよりも、学習塾などを利用し、勉強が自然にできるように環境を整えてしまったほうが、うまくいくケースは多いです。

親子関係がとても難しい時期だと割り切って、外注できるものは外注してしまう、というわけです。

実際、家では反抗期が激しいお子さんでも、塾では講師と楽しく話しているケースもよく見られるようです。親子ほど距離が近くないため、子どもにとっては接しやすいのでしょう。

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投稿者プロフィール

寄金 佳一
一般社団法人リアルエクスペリエンス代表理事。興味を持つ力を武器にキャリア形成/進学を目指す10代前半対象「フリーダム・アイランド」代表。自身が二児の父であるほか、乳幼児から中高生まで、のべ3,000名を越える親子・子どもたちと接している。思春期の子どもとの付き合い方や、興味を持つ力を活かした総合型選抜対策を中心に寄稿。

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