中高一貫校からの「転校」完全ガイド|高校生の場合は高卒認定試験も選択肢
中高一貫校に入学したものの、どうしても学校に馴染めず、転校を考え始める……。
そうしたケースでは、中高一貫校からどのような転校のパターンが可能かを知っておくことが大切です。
ただ、高校生の場合は、転校先が通信制高校しかないなど、選択肢がどうしても限られてしまいます。
完全に学校に足が向かなくなる前に、何かしらのサポートをする必要があるでしょう。
このページの目次
中学生の転校パターン3選
公立中学校に転校する場合は、高校受験を見据えたうえで行おう
中学課程は義務教育であるため、公立中学への転校を希望する場合、受け入れを断られることはありません。
自宅のある校区内の学校に通うことになります。
ただし、高校受験をしなければなりませんので、内申点のあり方など、情報収集をきちんとしておきましょう。
お子さんが学力不振に陥っているようであれば、内申点への影響を考慮し、早めの再起が可能になるよう、サポートすることが必要です。
別の私立学校への転校(編入)は、情報収集をしてから
私立中学では受け入れ可能な時期が決められており、編入試験を課される場合がほとんどです。
公立中学への転校より、ハードルが高いといえるでしょう。
やっておくべきことなどの詳細を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
高校受験のタイミングで転校する場合は、不退転の覚悟で!
中学から高校へ内部進学をせず、高校受験をして別の学校に進学する場合は、注意が必要です。
万一高校受験に失敗して行き先がなくなったとしても、現在在籍している中高一貫校に戻ることはできません。
そうしたリスクを負ってまで学校を変える理由は何なのか。環境を変えた先で何を実現したいのか。
真剣に考えたうえで決断すべきです。
高校受験を経て転校するも、成績不振から脱却できなかった事例
私の担当学年にいた、ある女子生徒の実例です。
彼女は、中学入学以来あまり勉強をしなかったため、深刻な成績不振に直面していました。
そこで、保護者が主導する形で、高校受験のタイミングで転校を決意。
中学三年生の5月頃から集団指導塾に通い始め、高校受験対策に乗り出しました。
ところが、彼女は塾の集団授業についていくことができず、学習習慣もあまり改善されません。
思うように成績は伸びませんでしたが、それでも滑り止めの高校に合格することができました。
ですが、結局そこでも成績不振に陥ったようです。
原因は学習習慣が身についていなかったこと。
成績不振が原因の場合、学習習慣が身につかなければ、環境を変えても同じことの繰り返しになる可能性が高いように思います。
まずは何よりも、学習習慣の改善を目指すのが大切です。
高校生の転校パターン3選
公立高校への転校は難しい
何か相当な事由でもないかぎり、学年途中・学期途中で公立の高校に転校することはできません。
どうしても入学したい場合は高校受験を受け、高校1年生からやり直すことになります。
高校卒業までに時間がかかってしまうのがデメリットです。
別の私立高校への転校(編入)は情報収集をしてから
私立高校への転校を希望する場合、まずは情報収集をすることが大切です。
受け入れ可能なタイミングは学校によって決まっており、英・数・国の学科試験および面接試験が課されます。
大まかな流れとしては私立中学への転校と相違ありませんので、下記の記事を参考にしてください。
最も転入しやすいのは通信制の高校
通信制の高校は随時生徒を募集しているところが多く、また、編入時に学力試験もありません。
お子さんの実情に合わせて幅広い選択肢から学校を選ぶことが可能です。
通信制高校では、レポート課題の提出・面接指導・テストを通じて単位を取得し、卒業に必要な単位数の充足を目指します。
なお、面接指導はスクーリングとも呼ばれ、学校に登校して先生の指導を直接受けることを指します。
人との関わりはどうしても薄くなりますが、自分のペースで勉強を進められる点が魅力です。
参考までに、全国の通信制高校の一覧を載せておきますのでご覧ください。
通信制の高校に転校後、学習習慣を大幅に改善して国公立大学の歯学部に進学した実例
私の勤務校にいた、ある男子生徒の実例です。
彼は成績不振が原因で、高校一年生のときに留年してしまいます。
そうして次の年もやはり成績を改善できず、通信制高校に転校していきました。
しかしそこで心機一転。
個別指導塾に通い始め、少しずつ学習習慣を改善していったのです。
単位も順調に取得し、ストレートで高校を卒業した彼は、一浪したものの、学習習慣を改善しながら努力を続けたことで、大学受験も無事に突破。
歯科医になる夢をつないだそうです。
成績不振から脱却し、流れを変えるために必要なのは、やはり学習習慣の改善だということを改めて実感しました。
転校の手続きの流れ
在学中の学校に転校の意志を伝える
まずは、担任の先生を通じて在籍校に、転学の意志があることを伝えます。
高校の場合は、その際必ず、単位の照合をしてもらってください。
転校先でどれだけの単位を取得する必要があるか、卒業までにどれだけの期間が必要かが判明します。
なお、学年途中で転校する場合は、原則その年度分の単位は認定されませんので注意しましょう。
必要書類の準備を進めよう
まずは、願書の準備をしましょう。
要項を熟読のうえ、必要書類一式をそろえてください。
在学証明書・転学照会書・成績証明書など、在籍校が用意するものもありますので、適宜依頼をする必要があります。
なお、公立中学に転校する場合は、自宅がある自治体の教育委員会に連絡して、指示を受けてください。
高校で転校が難しいようなら高卒認定試験に合格するという選択肢もアリ
高校に通わずとも高卒認定試験に合格すれば大学受験ができる!
「高卒認定試験」(正式名称「高等学校卒業程度認定試験」)は、8月と11月の年2回、文部科学省が実施している国家試験です。
合格すると、高校課程修了者と同等以上の学力があると見なされ、大学や短大、専門学校などを自由に受験することができるようになります。
受験年度の3月31日までに16歳になる人であれば、誰でも受験することが可能です。
不登校の高校生や高校を中退した人など、様々な人が受験し、自らの進路を切りひらいています。
高卒認定試験の受験科目および試験範囲については、文部科学省のホームページを参照してください。
これだけの科目数を独力で勉強するというのはなかなかに難しいことですので、プロのサポートを積極的に検討してもよいでしょう。
高卒認定予備校や個別指導塾がオススメです。
なお、高校で修得した単位がある場合、受験科目が減る可能性があります。
例えば高校で世界史Bを修得している場合、世界史を受験しなくてもよくなるのです。
高校で修得した単位は、「単位修得証明書」を高校から取り寄せれば確認できます。
在籍校が中高一貫校であれば、カリキュラム上、修得単位が公立の高校より多いケースがあります。ぜひ確認してみてください。
学力がつけば自己肯定感が上がり、状況が変わる可能性も!
高卒認定試験は在学中でも受験することが可能です。
学校に無理に行かず、自宅や塾で勉強するのも手でしょう。
学力がついてくれば自己肯定感が上がり、ふたたび学校に通えるようになったケースもあります。
中3時の進学規定や高校の進級規定に留意しつつ、お子さんが学習に向かえるよう、サポートしてあげるのが重要です。
転校の原因が「学力不振」なら中高一貫校生専門塾WAYSにお任せ
理由は様々あるでしょうが、できることなら中高一貫校からの転校は避けるに越したことはありません。
特に、学力不振が転校の原因なのであれば、リカバリーは可能です。
ぜひ、「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」への入塾をご検討ください。
WAYSは、500校以上の中高一貫校生を指導してきたノウハウのもと、ハイレベルな中高一貫校の学習内容に対応し、9割以上の生徒の成績を上げてきました。
1コマ120分という長い指導時間のなかで、「生徒に説明してもらう」という学習スタイルを取り入れているのも、メソッドのひとつです。
「解説を見て終わりではなく、自分で解けるようにならなければならない」というのはよく耳にしますが、WAYSはさらにそこから、自分で説明できるようになることを目指します。
他人に教える・説明するには、本質的な理解が必要です。
WAYSは、そのレベルまでお子さんを引き上げます。
ここからは、WAYSで「学力不振」から回復した事例を紹介します。
具体的な勉強方法を紹介するので、なぜWAYSで成績アップできるのか参考にしてみてください。
大妻中学校3年生:数学26→45点、英語50→70点で学力不振から回復に成功!
中高一貫校の教材の量に対して、消化不良に陥っていた生徒が、WAYSで学習計画を立て反復演習を行ったことで、学力不振から回復した事例です。
入塾前は、何から手を付けていいかわからなくなっており、うまく学習習慣を作れていませんでした。
WAYSではこの生徒に学習習慣を確立してもらうことを目標に、日割りで学習計画を立てることにしました。
塾がない日にも可能な範囲で学習をしてもらうことで、自発的な学習習慣が形成されます。
具体的にはWAYSの指導時間内で演習した中から、間違えた問題を次回の指導時間までに復習することと、負担にならない範囲で家庭で解いてもらいたい問題を指定しました。
次の指導時間までの間に、自分で「この時間にこの勉強をしよう」と計画を立てられるようになってもらう狙いがあります。
当塾からは、効率良く成績アップにつなげるために、解くべき問題を指定し、間違えた問題を反復演習で徹底的に潰してもらいました。
これによって数学は26点から45点に、英語は50点から70点に点数アップし、学習習慣の確立にもつながりました。
国学院大学久我山中学校2年生:入塾から3ヶ月で数学・物理平均点越え
数学が25点(平均38点)、物理は30点(平均50点)だったのが、WAYSで3ヶ月間学び、数学が41点(平均21点)、物理は58点(平均50点)と平均点越えに成功した事例です。
入塾前は家庭学習の習慣が全くなく、暇があればゲームをしており、机に向かうことはなかったようです。
WAYSでは、テストに出題される学校の独自教材を中心に学習することにしました。
独自教材は難易度が比較的高く、1回では理解しきれない問題も多いため、こちらを反復演習してもらいます。
テスト前までに2周は解いてもらうこととし、指導時間内に時折確認テストを行って、類題への対応力も高めていきました。
また、前回の指導時間で学んだ内容をしっかり理解できているか、「2周目解き直し専用ノート」を作成し、自己点検をしてもらいました。
反復演習によって、知識を定着させることに成功し、平均点以下の成績からの平均点越えを短期間で達成。
一度身についた学習習慣を途切れさせず、継続することを目標にして勉強に取り組んでいます。
獨協高校1年生:「中だるみ」から英語60点、数学A71点を獲得!
WAYS入塾前の中学校時代は英語・数学ともに30~40点台だった「中だるみ」状態から、英語表現は60点、数学Aは71点を獲得した高校1年生の事例です。
英語と数学はこれまで習った知識が次の単元を理解する上での前提となる「積み上げ式」であるため、中学段階の内容を総復習するところから始めました。
春期講習期間に学研出版の「ひとつひとつわかりやすく」シリーズを用いて、基礎から学習をしてもらいました。
こちらの参考書は最重要項目のみを集めており、効率良く勉強できる構成になっています。
同じ範囲を5周以上解いてもらい、内容を徹底的に身につけていきます。
間違えた問題には印を付け、試験直前にもう一度印を付けた問題に挑戦し、理解できているか確認を行いました。
基礎レベルの徹底的な復習によって、英語と数学で高得点が獲得できるレベルまで復活を果たすことに成功しました。
まだまだ克服してもらいたい内容があるため、これに満足せず、引き続き学習を続けてもらい、さらなる成績アップを目指しています。
WAYSの指導ノウハウの詳細を知りたい方は、下記リンク先をご覧ください。
投稿者プロフィール

- 中高一貫校に勤めて10年になる中堅教師。卒業生を3度送り出し、中学生・高校生問わず指導経験が豊富です。自身も中高一貫校出身なので、中高一貫校のことを知り尽くしています。勉強に苦しむ生徒に向き合い、試行錯誤をする日々。そんな教師生活から得られた知見をお伝えし、全国の子供たちの力になれたらと思います。
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