中高一貫校から附属・系列大学への内部進学の仕組みと、成績が低迷している場合の対策
附属や系列大学のある中高一貫校にお子さんを通わせているものの、成績が振るわず、このままでは内部進学できないのではないか……と頭を悩ませている保護者の方に向けて、内部進学の仕組みと、成績が低迷している場合の対処法を徹底解説します。
大学への内部進学を目指しているのであれば、条件や基準を早めに確認し、計画的に対策を進めることが重要です。
このページの目次
大学付属の中高一貫校生でも内部進学できない場合がある
大学付属の中高一貫校の内部進学率は高いが、100%ではない
大学付属の中高一貫校の内部進学率は、学校によって大きく異なりますが、一般的に高い傾向があります。
例えば、慶應義塾の一貫教育校では、2023年度の内部進学率が約97%以上。
明治大学の付属校では80~90%、青山学院大学の場合は70~85%と、やや幅があるものの、高い進学率を誇っています。
注意すべきは、付属大学への内部進学率は100%ではないということです。
成績や内部試験の結果、志望学部の定員など、様々な要素が影響し、一定の基準を満たさない場合は内部進学が叶わないケースもあります。
内部進学の条件を早めに把握し、対策をすることが重要
中高一貫校から、附属・系列大学への内部進学を目指しているのであれば、条件や基準に関する最新の情報を入手するよう心がけましょう。
内部進学の条件は、学校ごとに異なるだけでなく、入学年度によっても変更される可能性があるからです。
多くの場合、高校3年間の成績が内部進学の合否を大きく左右します。
また、成績上位者から志望学部学科に進学できることが一般的です。
したがって、高校1年生のうちから、苦手科目の克服や学力向上に努めることが重要と言えるでしょう。
さらに、学校行事やボランティア活動などにも積極的に参加し、多様な経験を積むことも大切です。
活動実績は、内部進学の選考において、生徒の人物像を評価する材料となります。
内部進学の条件を早期に把握し、計画的に対策を進めることで、進路の目標を実現するための土台を築けます。
なお、中高一貫専門塾WAYSでは、これまでに500校以上の中高一貫校生を指導してきました。
国内では数少ない「中高一貫専門塾」の特長や時間割、授業料などを詳しく知りたい方はぜひ資料をご覧ください。
中高一貫校から、附属・系列大学への内部進学のパターンは主に3つ
内部進学の選抜では、基本的には学力だけでなく、生徒の総合的な能力や人物像、学校生活での積極性なども評価されるのが一般的です。
具体的には、以下の3つのパターンがあります。
- 一定の内部進学基準を満たせば進学できる
- 希望する生徒全員がほぼ無条件で進学できる
- 付属大学への進学資格を持ちつつ、他大学も受験できる
一定の内部進学基準を満たせば進学できる
多くの大学が採用しているパターンです。
生徒は、学校が設定した一定の基準をクリアすることで、内部進学の資格を得ることが可能です。
学力面だけでなく、出席状況や学校生活での活動実績なども含まれ、中には論文の提出が課されるケースも。
書類や面接などの選考を通して、内部進学できるかどうかが総合的に判断されます。
附属・系列大学への進学資格を持ちつつ、他大学も受験できる
附属・系列大学への進学資格を保持しながらも、他大学の受験を認めている場合があります。
「附属・系列大学に進学できる」という滑り止めを確保しつつ、より幅広い選択肢から進路を決められるのがメリットです。
内部進学の資格を持つ生徒の他大学受験を認めていない学校もあるので、お子さんの学校が併願受験が可能かどうかチェックしておきましょう。
希望する生徒全員がほぼ無条件で進学できる
特に厳しい選考や競争はなく、大学への内部進学が比較的容易です。
所定の手続きを行うだけで、附属・系列大学への進学が確約されます。
ただし、このような制度を採用している大学は少数派です。
中高一貫校から、附属・系列大学へ内部進学するメリット
附属・系列大学への内部進学には、以下のようなメリットがあります。
- 大学受験をせずに進学できる
- 高大連携による学びの機会が得られる
- 同じ仲間と長く過ごせるため、深い人間関係が築ける
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
大学受験をせずに進学できる
中高一貫校の最大のメリットは、大学受験をせずに附属・系列大学へ進学できることです。
特に、中学から一貫校に通っている場合、高校受験と大学受験の両方を経験せずに済むのは大きな利点と言えるでしょう。
近年、大学入試制度が複雑化し、受験競争が激化する中で、内部進学制度は生徒や保護者にとって安心で確実な進路選択肢となっています。
高大連携による学びの機会が得られる
附属・系列大学を持つ高校では、高大連携が盛んに行われています。
高大連携とは、高校と大学が連携して、生徒に対して教育活動を行う仕組みのことです。
大学教員による特別講義や、大学の施設を利用した実習など、高校生のうちから大学レベルの教育を受けられる機会が豊富にあります。
高大連携により、生徒は学習意欲が高まり、将来の専門分野に対する興味関心を深めることが可能です。
また、大学での学びにスムーズに移行できるのもメリットです。
同じ仲間と長く過ごせるため、深い人間関係が築ける
中高一貫校から附属・系列大学へ内部進学する場合、最大で10年間という長い期間を共に過ごすことになります。
先輩・後輩関係も強固なものとなり、大学生活や就職活動に関して、先輩からアドバイスをもらえたります。
長い時間をかけて築かれた人間関係は、社会に出てからも貴重な財産となり、生涯にわたって個人の成長と発展を支える基盤となるでしょう。
なお、学校の成績が悪い場合、内部進学の基準を満たすことができず、メリットも活かせません。
「今のままでは内部進学できるかわからない」「子供が通う学校の内部進学の実態について詳しく知りたい」という方は、当塾の無料学習相談をご活用ください。
内部進学のデメリット
内部進学のデメリットは以下の3つです。
- 進路の選択肢が系列大学に限定されてしまう
- 油断が生じやすく、勉強をおろそかにしてしまう危険性がある
- 他大学を受験する場合、進学準備の負担が大きい
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
進路の選択肢が附属・系列大学に限定されてしまう
内部進学制度は、受験勉強をすることなく大学に進学できる一方で、進路の選択肢を狭めてしまう側面もあります。
行きたい学部・学科が附属・系列大学にない場合に、諦めざるを得ないケースもあるからです。
当初は附属・系列大学への内部進学を予定していたものの、中高6年間の間に、新たにやりたいことが見つかる場合もあるでしょう。
親子の間で、定期的に将来の進路に関して話し合い、早めに方向性を定めておくのがおすすめです。
油断が生じやすく、勉強をおろそかにしてしまう危険性がある
受験勉強せずに大学に進学できるとなると、勉強をおろそかにしてしまう可能性があります。
実際、中だるみに陥ってしまい、勉強へのモチベーションが下がってしまう生徒も少なくありません。
しかし、このような態度は非常に危険です。なぜなら、大学での学びについていくためには、高校までの学習内容をしっかりと身につけておく必要があるからです。
大学進学は最終目標ではなく、あくまで通過点の1つであることをお子さんに伝えておきましょう。
他大学を受験する場合、進学準備の負担が大きい
附属・系列大学以外の大学を受験する場合、内部進学の対策と並行して、一般入試の対策も行う必要があるため、負担も大きくなります。
特に、附属・系列大学への内部進学を第1志望としている場合、他大学の対策は後回しになりがちです。
十分な対策ができないと、合格可能性も低くなるでしょう。
また、最も避けるべきは、内部進学の基準を満たせなかった場合です。
急遽、他大学の一般入試対策に切り替えなければならないケースもあり、納得のいく進路を選べる可能性が低下します。
主要大学の内部進学基準と留意点
内部進学の基準は、学校によって様々です。
主要大学の内部進学基準と、進学を目指す上での留意点は以下の通りです。
大学名 | 内部進学率 | 主な基準 | 留意点 |
慶應義塾大学 | ほぼ100% | 各学期の成績評価と出席状況 | 医学部は狭き門のため、他大学受験も視野に |
早稲田大学 | 附属校: ほぼ100% 系属校: 70~80% |
欠席日数や赤点の数に注意 | 人気学部は成績が重要、医療系はないため他大学受験が必要 |
明治大学 | 80~90% | 高校3年間の評定平均と英語力、明治大学推薦テストの結果など | 国公立大学との併願が可能 |
青山学院大学 | 附属校: 85% 系属校: 30%弱 |
高校の成績、学力テスト、人物評価の総合判定 | 他大学との併願は不可 |
立教大学 | 附属校: 90%以上 系属校: 条件を満たせば全員合格 |
卒業単位の取得、学校生活、勉学意欲、卒業研究論文など | 他大学との併願は不可 |
日本大学 | 40~80% | 基礎学力選抜、附属特別選抜、国公立併願の3つの方式 | 志望学部によって選抜方法が異なる、医学部は狭き門 |
※中高一貫専門塾WAYS調べ
成績や学校生活などの総合評価が重要で、学校ごとに基準や選抜方法が異なります。
基本的に、内部進学率は高めですが、どの大学も医学部は狭き門です。
附属校と系属校で内部進学率に差があり、他大学との併願の可否も大学によって対応が分かれます。
成績が低迷している場合の対策|定期テストの点数を上げるために今すぐ取り組むべきこと
大学への内部進学にあたっては、出席状況や学校での活動実績が評価されるケースもあるものの、根幹となるのは成績=定期テストの点数です。
希望する学部に進学するためにも、成績が低迷している場合は、とにかくテストの点を上げることを考えなければなりません。
中高一貫校で求められる学習レベルは高い
進学に強みを持つ中高一貫校では、並一通りの学習をしていても好成績は望めません。
英数をメインとした先取り学習が行われ、定期テストで出題される問題は大学入試を見据えたものになっているからです。
お子さんは勉強をしているつもりでも、実はまったく足りていない、ということが起こってしまいます。
中高一貫校の先取りカリキュラムの詳細を、成績アップ事例と合わせて紹介
家庭学習での勉強で試験範囲3周を目指す
やるべきは、やはり学校外での勉強=家庭学習です。
下記の四つの柱を軸に、計画的に行いましょう。
①予習(授業前に行う。英数中心)
②復習(授業後に行う。できればその日のうちに)
③宿題・課題(復習をしてから週末などに行う。類題演習で再確認)
④演習(定期テスト前に行う。独力で解けるまで反復演習)
お子さんが自己管理できない、というケースが圧倒的に多いため、最初のうちは1教科でもいいので、手厚くサポートをしてあげてください。
中高一貫校生がやるべき家庭学習の詳細を解説
高校生は中学時代の勉強も見直そう
特に高校1年生に多いのが、中学時代の積み残しに苦しめられているというケースです。
本人が自覚していない、またはプライドが邪魔をして中学レベルの勉強をやり直そうとしない、という場合もあります。
高校の授業は、中学内容を理解している前提で進みます。特に英数は積み上げ教科なので、中学内容を理解していないと高校内容は理解できません。
とりわけ、中高一貫校は高校入試がなく、さらに、先取り学習が行われています。
中学内容が身につかないまま高校に進学した人は、少なくないのです。
効果的な中学内容の復習のしかたを徹底解説
WAYS生の内部進学に向けた成績アップ事例
ここからは、中高一貫校生を専門に指導する個別指導塾WAYSに通う生徒が、内部進学に向けて成績アップに成功した事例を紹介します。
どのような学習方法が、定期テストの点数アップにつながったのか詳しく解説するので、参考にしてみてください。
慶應義塾高校2年生:英語30点台→74点、数学A50点台→82点にアップ
高校1年の12月に入塾し、5ヶ月間で英語30点台から74点、数学A50点台から82点、数学Ⅰが40点台から数学Ⅱで73点に大幅アップした事例です。
この生徒は中学まで数学が得意だったようですが、高校に上がってから使用されている教科書「詳説」と、問題集「Hi-PRIME」の難易度が高く、ついていけなくなっていました。
そこで、WAYSで教科書の予習を行ってから、学校の授業を受け、次のWAYSの指導時間で復習として授業で習った範囲の問題集に取り組んでもらいました。
学校の授業内容の理解と、問題演習による知識の定着を、このサイクルで作り出します。
授業内容がわかるようになったことで、学習意欲が高まり、自宅で主体的に学ぶようにもなりました。
慶應義塾高校からの内部進学には、学校の成績が大きく影響するため、引き続き成績アップを目標に取り組んでいます。
早稲田高校2年生:解説の精読によって自力で解く習慣の確立
WAYS入塾4ヶ月で、間違えた問題の解説をじっくり読み込む力がつき、幾何の点数を74点→88点へさらに伸ばした事例です。
この生徒は、学校外での学習習慣がなく、演習量を確保するためにWAYSへ入塾。
勉強を始めると、集中して取り組むことができていたので、学習時間をより効果的なものにするため、「解説の読み方」を指導しました。
- わからない問題があったらすぐに解説を読んで理解する
- すぐに再度解説を見ないで問題を解く
- 解説を読んでわからない場合、どの部分がわからないか明確にする
この3点を徹底し、講師の解説をピンポイントに絞ることで、指導時間内でより多くの問題を解けるようになり、成績アップにつながりました。
今後は、内部推薦で早稲田大学へ行くために、他教科においても解説をうまく使いながら成績アップを目指しています。
日本大学豊山高校2年生:英語49点→72点に急成長!
2学期中間テストでは英語49点だったところから、2学期期末テストで72点まで大幅な得点アップに成功した高校2年生の事例です。
元々英語に苦手意識があり、自宅で勉強する習慣も全くありませんでした。
WAYSでは1週間の学習計画を立て、英語においては英文法のテキストと長文のテキストを毎日交互に進め、塾では英文法の小テストを行いました。
小テスト実施後は、答え合わせをしながら、解答の理由まで生徒に説明してもらうことで、「わかったつもり」からより深い理解へつなげていきます。
また、計画を立て、毎日やるべきことが明確になったことで、生徒も徐々にやる気がでるようになりました。
自宅学習にも少しずつ取り組むようになり、得点の大幅アップに成功しました。
今後は、日本大学へ内部進学する際、進学先に大きく影響する「基礎学力到達度テスト」で高得点を取れるよう英語だけでなく、数学や国語、生物の学習にも取り組んでいます。
わかっていても家庭学習ができないなら、中高一貫校専門塾WAYSで解決を!
内部進学のために定期テストの点数を上げるには、家庭学習を充実するしかない……。
やるべきことは明確ですが、家庭学習が苦手な場合には、わかっていてもできないケースが少なくありません。
お子さんが自己管理できるようになるまでは、ご家庭でのサポートが必要ですが、限界を感じているなら、「中高一貫校専門 個別指導塾WAYS」にご相談ください。
WAYSには、500校以上の中高一貫校生の指導実績があり、内部進学成功率は98.5%。内部進学対策にも精通しています。
指導システム、料金体系、入塾までの流れは、無料Webパンフレットをご覧ください。
投稿者プロフィール

-
中高一貫校生の定期テスト対策から大学受験・内部進学までをトータルサポートする個別指導塾。
中高一貫校用教材に対応することで各中高一貫校の定期テストの点数に直結した指導を行います。
低料金で長時間指導が受けられるため、家で勉強できない中高一貫校生でも塾の指導時間内で成績を上げることが可能です。
英語、数学をメインに指導を行っています。