責任感のない「格言」にだまされるな!
「格言」とは?
いきなりでは御座いますが、読んでくださっている生徒さんの中に、こういったことを教師から言われたり、あるいは参考書の中でこんなセリフを読んだことをある人はいないでしょうか。
「英単語を覚える必要はない!」「古文に文法も単語も必要ない!結局は読んだ量だ!」「古文を訳す必要はない!」「五文型を覚える必要はない!」「英単語帳なんて買う必要ない!」
語学系の教科に多い、こういう責任感ゼロの「格言」。暗記科目においても、よく見受けられます。
「日本史は暗記科目ではない!」「流れをつかめばOK!」「世界史は結局タテ軸とヨコ軸!」「年号不要!」
正直、私自身、学生時代に、こういった「格言」にダマされ続けてまいりました。
「そうか、古文は訳さなくても読めるのか!」「日本史は暗記ではないのか!」
今から考えると、訳さなくても読める、なんて意味不明ですよね。当時通っていた塾で講師に言われた一言です。
書店にもこういったタイトルの参考書が多いですよね。「え、本当にそれで点数とれるの!」と中高生を歓喜させそうなキャッチーなタイトルが沢山あります。
実際、その手の「格言」通りに勉強をして、しっかり点数とれる人は一握りです。
一応申し上げますと、決して間違ったことを言っているわけではないんです。
古文や英語に取り組む際に、一々訳しながら読んでいたら、時間がいくらあっても足りません。入試で全文和訳なんてしていたら大変なことです。単語の意味を一々吟味して、全ての文章のSVOCを仕分けしていたら、確実に読み終わりませんからね。
頭の中で訳しながら読んでいくことも当然求められるわけです。分からない単語を、意味を推測しつつ読んでいく技量も多いに大切です。
しかし、それは、沢山の文章を訳して、単語を覚えて、五文型を理解する修行を積んでいるからこそ出来ることであって、そういったことをすっ飛ばして「よし、それじゃあ単語も覚えないし、訳もしないぞ!」では、一切点数は伸びないのです。
暗記科目にありがちな、「○○は暗記科目ではない!」ということも、言いたいことが分からない訳でもないんです。
日本史や世界史で大切なのは、その時代時代ごとの流れや出来事が起きた理由などの裏付け知識が重要になってきます。
それはある意味「記憶」というよりは「理解」に似ています。そういった意味では「暗記科目ではない!」という切り口も面白いと言えるでしょう。
しかし、「理解」は入り口でしかないです。「理解」したうえで、大量の「暗記」をしなければ、点数は一ミリも伸びません。
残念ながら、歴史は暗記科目です。理解1:暗記9です。暗記をどれだけできているかを試すテストと捉えたほうが良い、とすら言えます。
心をくすぐられる謎「格言」にはご注意を!
それでは、なぜ「英語を訳す必要はない!」ですとか「古文単語や文法を覚える必要はない!」などといった文面が、教育業界にはびこっているのでしょうか。
それは簡単です。
金になるからです。
「出来るだけ勉強せずに偏差値の高い大学に行きたいなあ」と思っている中高生に、売れるんです。
そりゃそうですよね、記憶も訳も文法もめんどくさくてしょうがない、そういう学生がほとんどなんですから。
そんな生徒さんが「そういうメンドクサイことしなくても大丈夫だよ!」なんて言っている参考書を見つけたら。
「そういうメンドクサイことしなくても大丈夫だよ!」なんて言っている塾を見つけたら。
惑わされてしまうのもわかるのです。
ただ、人生そんなに甘くないです。やっぱり、コツコツやった奴が勝つんですね。
やっぱり単語はおぼえなければなりません。訳もしっかりトレーニングしていかなければなりません。
勉強から逃げ出したい、そんな弱い心をくすぐるような、中高生をダマす「格言ビジネス」にはご注意ください。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 2024年3月15日コラムプラグインのテスト
- 2022年6月15日成績アップ実績大阪星光学院中学3年生―aim@の活用と生活を区切ることで成績アップ!
- 2022年6月8日成績アップ実績富士見中学校2年生―定期テストまでの学習計画で成績アップ!
- 2022年5月30日成績アップ実績立川中等教育学校2年生ー効率の良い勉強法を身につけて成績アップ!