文理の選択法とその後の選択肢
高校1年生の人たちは文理選択を終えている方もいると思いますが、既にした人、これからする人にも「文系と理系ってどうやって決めるんだ?」と悩んでいる人や「理系選択したけど本当に良かったのか?」という人もいるでしょう。
逆に「そんなの適当でよくね」という軽いノリの人もいると思うので、今回は文理選択の意味や、どう考えたら良いのかということについて書いていきたいと思います。
文理選択の意味
まず、文理選択をする意味って何かということについて考えましょう。
「そんなの文系か理系かどちらに進むか選択するってことでしょ」
と言われれば、その通りです。
しかし、その意味を分かっているか、ということになります。
文系を選択した場合、理系の専門科目を勉強することはなくなります。
理系の場合も同じです。文系の必修科目を勉強することはないです。
小学校以来、初めて自分で勉強する科目、しない科目を選択することになります。
また、その後の大学受験では、自分が勉強している科目で行ける大学の行きたい学部、学科を選び受験します。
それで行きたい学部・学科に進学すれば、違うことを専門的に学ぶことは極めて難しくなります。
文理の選択は将来やりたいことを選ぶというだけではなく、将来の選択肢を大きく削る作業になります。
それはほとんどの高校が普通科なのに対して大学は専門性を重視した学部や学科になっていることを考えれば、当たり前かもしれませんが、
「自分の将来の選択肢の幅を決める選択が文理の選択である」
ということは意識しておいたほうが良いでしょう。適当に選択して後で後悔するのは、かなり損です。
文理選択の方法
やりたい仕事、勉強したいことから選ぶ
やりたいことがあり、その学部が文系、理系のいずれかであるならば迷うことなくそれを基準にして文理選択をした方がいいでしょう。
これはある意味最もまっとうな選択法だと思います。
「医者になりたい」「弁護士になりたい」というような学部・学科に縛られる職業を将来希望していたり、「数学の勉強がしたい」「考古学の勉強がしたい」というように、就職とは関係なくても「勉強したいこと」が学部や学科に縛られている場合も選択はし易いでしょう。
しかし、やりたい仕事、勉強したいことがあるからと言って、必ずしもスムーズに文理選択が出来るかというとそうではありません。
例えば「プログラマー」になりたいといっても、文系のプログラマーも沢山いる現在、文理選択で理系を選ぶ理由にはなりません。
「公務員になりたい」というような、どの学部からでもなれる職業に関しても同様です。営業職もそうですね。商品によっては理系が有利なこともあります。
また、「ゲームを作りたい」と言っても、プログラミング技術を取得したいから理系という考え方もありますし、ゲームのシナリオを書きたいから文学部という考え方もあります。ゲームの世界観を作り上げるために美大に行くのもありですし、専門学校に行っても良いでしょう。
やりたいことがあるからといって、文理選択が決まるわけではないのでじっくり考えて下さい。
やりたくない仕事、勉強したくないことを外す
よくある「数学が嫌いだから文系」「古典が嫌いだから理系」パターンです。
この選択は実際の志望校・学部選びの際に後悔することがあります。
数学嫌いだから文系志望したけど「新しいクルマの材料とか作りたい」などと言われても後の祭りです。
嫌いな科目があるから外す際には、その後の進路に関してある程度調べておき、「うん、理系の進路はことごとく興味がわかないから文系」というくらいにはしておきましょう。
後で変える可能性を考慮して取り敢えず決める
文理の選択をした後、進路を変えることは不可能ではありません。
特に理系から文系に変更する文転はよくやられる行為です。
文系に変わっても数学を試験に使うことは可能なので、無駄がないのです。
理転は文転に比べるとかなり難しいですが、不可能ではないです。
単に3年生の自分が物凄く大変になるだけです。
その覚悟があれば、理転してもいいでしょう。
更にいえば、大学に進学した後でも、極めて成績が良好ならば、学科や学部を変えることも出来ます。
文理選択は、大きな転換期ではありますが、やり直しが全く効かない選択ではないのです。
しかしながら、文転、理転、大学進学後の転科、転部を行うのは、
何も変更しないよりも遥かに勉強量も難易度も上がることが多いです。
選択をすることが遅れるほど、後でする苦労は増大するので、
今のうちにある程度やりたいことを絞っておいたほうが苦労は少なくなるでしょう。
まとめ
今適当に進路を選んでも、変更することは確かに可能です。
しかし、文理の選択を後で覆すのは、それ相応の対価が必要となります。
「文系か理系かどちらを選ぶか」と問われた際には、適当に決めず、きちんと考えて結論を出した方が、その分楽になることは確かです。きちんと将来について考えるいい機会になりますから、大学選びも含め、ある程度時間を取ってきちんと考えてみては如何でしょうか?
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