【中高一貫校】国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学の基準・対策を徹底解説

秀彦太田

2025年05月29日

学校紹介

日本大学の校舎
国立音楽大学附属中学校・高等学校は、東京都国立市にある男女共学の中高一貫の私立中学校・高等学校です。
2024年に創立75周年を迎える伝統校で、教育理念は「自由、自主、自律」となっています。
高等学校には「音楽科」と「普通科」の2学科が存在しています。

このページの目次

1 国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学について
2 国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学制度
- 2.1 内部進学の基準
- 2.2 他大学への受験
3 国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学対策

国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学について

系列大学

系列大学には、国立音楽大学があります。
国立音楽大学は東京都立川市にあり、付属中学・高校とは所在地が異なります。
当大学は、2026年に創立100周年を迎える歴史ある音楽大学です。
1学部2学科の4年間で、多彩なカリキュラムをじっくり学ぶことができます。

内部進学できる学部

音楽学部の演奏・創作学科、音楽文化教育学科に進学することが可能です。
演奏・創作学科は声楽・ピアノ・作曲、音楽文化教育学科は音楽教育・音楽情報など、それぞれ専門コースに分かれています。

国立音楽大学附属中学校・高等学校の音楽科の生徒はすべての専攻において内部進学できますが、普通科から内部推薦で進学可能な学科は演奏・創作学科のコンピュータ音楽専修、音楽文化教育学科の音楽教育専修や音楽療法専修、音楽情報専修、そして幼児音楽教育専攻となります。

内部進学率

付属高校の、音楽科の生徒の約7割が国立音楽大学へ進学しています。
また普通科の生徒も約1割が国立音楽大学へ進学しています。
このことから、付属高校の生徒は国立音楽大学への内部進学率が高めであるといえるでしょう。

国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学制度

内部進学の基準

国立音楽大学には一般選抜のほかに、学校推薦型選抜と総合型選抜による選抜があります。
この学校推薦型選抜の中に、指定校による選抜、そして附属高等学校からの内部選考で進学する制度が含まれています。
したがって、付属高校の生徒は学校推薦型選抜の制度を利用して内部進学が可能です。
なお、内部推薦で進学するためには、選択カリキュラムで「ソルフェージュⅠ」および「ソルフェージュⅡ」を履修することが必須となります。

他大学への受験

普通科の約8割が、他大学へ進学しています。
毎年国公立や早慶上理に複数の合格者が出ており、GMARCHの合格者数も増加傾向にあります。
近年は薬学部や看護学部など医療系の大学への進学も増えています。
音楽科は、約3割が他大学へ進学しています。
また、約80校300学科の指定校推薦枠があり、この指定校推薦制度を利用して進学することも可能です。

国立音楽大学附属中学校・高等学校の内部進学対策

学校の定期テスト対策

高校は前期・後期の2期制で、前期後期それぞれに中間試験と期末試験があります。
専攻科目だけではなく、一般科目を含んだ総合的な成績で希望の学科に推薦してもらえるかが決定します。
内申点重視のため、日頃から苦手科目を克服して、定期テストで結果を残すことが重要です。
また、普通科から国立音大への内部進学を考えている場合に必須の履修科目に、2年次に選択できる「ソルフェージュⅠ」と、3年次に選択できる「ソルフェージュⅡ」があります。
「ソルフェージュⅠ」「ソルフェージュⅡ」は、音楽の基礎知識を学ぶ教科です。

学校独自の試験や外部の模試対策

音楽科は3年次に音楽大学付属校ならではの推薦実技試験があります。
この実技試験と内申点を合わせた成績が内部進学の際は重要です。
また、国立音大付属独自の試験として、「くにおん楽典検定」があります。
高校3年生以上の受検者には、年度内有効の合格認定証を発行し、国立音大の入学試験において「楽典」の受験が免除されます。
入学試験受験年度で合格認定されなかった生徒や高校2年生には、得点と今後の学習へのアドバイスが学校側からフィードバックされます。

他大学の入試対策

普通科の生徒は、複数回の進路面談や、AO・推薦面接ガイダンスで面接の方法を学んだり、各個人に合わせて、志望学部の入試方法についての細やかなアドバイスを受けることができます。
また、普通科特進コースの生徒は、月に約3回、土曜日に講習が行われます。
この講習では、受験を視野に入れた国語・英語・数学の3つの主要科目の特別授業と学習コーチングが行われます。
特に、学習コーチングは生徒個別に学習の現状確認をして、修正しながら効率的な学習方法を個別指導するもので、生徒の自主的な学習を促進するために重要です。
さらに、この講習は夏期（9日間）、冬期（6日間）、春期（3日間）の長期休暇中にも集中的に実施されます。