計算ミスをなくすだけじゃない「途中式を書くことのメリット」
数学が苦手な生徒さんにとても多い症状の一つとして、「途中式を書かない」ということが御座います。
そういう生徒さんは、おそらく「途中式を書かなくても大体理解しているから、やる必要ないじゃん」と思っているパターンが多いと思われますが、
そのような思考回路がどれだけダメであるか、といったところを、今回はお話しさせていただきます。
途中式を書かなければいけない理由。
いきなりぶっちゃけてしまいますと、途中式を書かなくても、ミスが一切ないのであれば、書かなくても良いと思います。
いわば百発百中の正解率ですね、そんな人いないですよ。
天才でもない限り、そんなことはできません。私も無理です。
まず大前提として、途中式を書かなければいけない理由は、ミスを減らすためです。
丁寧に途中式を書くだけで、かなりミスは減るはずです。面倒なことかもしれませんが、どうにかしっかりと書いてください。
そして、これは丸付けをする段階での話ですが、途中式がなければ、計算のどこでどう間違えたかを確認できないんです。
しかも、途中式を書かないのが原因でミスをしてしまった場合、生徒さんはケアレスミスでしかない、と、ミスを重く受けとめないのです。
負の連鎖ですね。
一応言いますと、私も、例えば12×10=120を筆算しろですとか、そんな極端なことを言っているわけではないんです。
平方完成をする際の過程ですとか、二次方程式の因数分解ですとか、そういったところを、ぜひ丁寧に書いていってほしいんです。
グラフや図形もそうです、一緒です。頭の中で図を描こうとしても、中々こんがらがってきますから、多少雑でも構わないので、ぜひ余白に図を描いて、考えているものを紙面上に表してみてください。
それをすれば、冷静に問題文を見れるようになりますし、書いている間に思考順序を整理することもできるので、一石二鳥です。
頭の中で途中式を書けるようにするには、手で書けるようにしてからです。
それをせずに、暗算ですべて終わらせるのは、時間短縮をしているように見えて、数学を得意になるには、非常に遠回りなやり方であるということを、理解していただきたいです。
様々なところで求められる途中式。
皆さんの中には、大学受験の数学の解答用紙を見たことがない方もいらっしゃるかもしれません。
割と驚かれるかもしれませんが、大学受験の数学の解答用紙には、解答欄すらない、白紙のような状態であることが、結構多いです。
私自身、初めて東大模試の数学の解答用紙を見たときには、とても驚きました。
なぜそうなっているのか。決して解答欄を作るのが面倒だから、ではないんです。
自分で計算過程を表現して、採点者に計算の道すじを説明する力を試しているのです。
一応申し上げますと、センター試験を含めて、マークシート形式で数学入試を行う大学もあるのですが、そういった場合でも、計算過程の数値の部分が穴埋めになっている場合が多いです。
センターなどですと、それが顕著に見受けられます。結局、計算過程までしっかり把握できているかどうかを試されるんです。
つまり、計算過程の初歩の初歩である、途中式は絶対におろそかにしてはいけないです。途中式を細かく書いてトレーニングをしないと、入試で痛い目をみます。
宿題などでも同じです。答えがあるのに、わざわざノートに解いてこい、過程もしっかり書くこと、という条件で宿題を出されたことはありませんでしょうか。
あのような宿題の出し方には、勿論答えを丸写しするだけで出すことを防止する名目もあるのですが、一方で、計算過程の表現力をトレーニングする機会を作っているんです。
この記事で、途中式を書くことの重要性を分かっていただければ光栄です。みなさん、途中式を馬鹿にしてはいけませんよ。
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